はじめに
どうも。Kamocです。
しくみ製作所ではホラクラシーでの組織運営をしており、各サークル(チームのようなもの)には進行役の『ファシリテーター』と、書記役の『セクレタリー』という役割が存在します。
また、しくみ製作所はフルリモートで、全会議はオンラインで行われています。書記は議事録をとりながら画面を他の参加者に共有しています。
自分はこれまでファシリテーターを務めることが多く、特性的にもファシリテーターがハマっていたのですが、セクレタリーという役割を初めて経験してみて、新鮮な気付きが得られたので記憶がフレッシュなうちに書き下しておこうと思います。
セクレタリーをやって最も強く感じたことは、セクレタリーは影のファシリテーターだということです。あくまで影の存在であって、出過ぎた真似をしてファシ泥棒をしてはいけません。
会議がスムーズに進行するように陰ながらサポートするのが良いセクレタリーだと思います。会議の進行はファシとセクのコンビ芸です。
この記事では陰ながらサポートするためにどんなことができそうか考えてまとめてみました。
セクレタリーの3つの状態
ステルスモード: 場のテンポを乱さない
場が良い状態でテンポ良く進んでいる場合には、参加者がセクの存在を気にしなくて良いように、機械的に議事を取ればOKです。
しかし、話者の発言を一言一句記録するのは不可能ですし、議事録としての価値も低いため、できるだけ内容が変わらないように簡潔にまとめることが腕の見せ所です。
例えば、
- 具体例を端折る
- とりあえずワードを書き出して文書構造を適宜修正する
といったことを私は気をつけています。
タイピングは早いに越したことはありませんが、頑張ってもそれほど差がつかないと思います。簡潔にわかりやすくまとめることを頑張った方がセクレタリーの価値を上げるのに効果的だと思います。
セクの記述待ちで会議がストップする回数は少ないほうが望ましいですが、記録を残せないと最低限の役割を果たすことができないので、辛くなったら遠慮なくアラートを上げましょう。
先読みモード: 5秒後の展開を読む
会議中のセクレタリーのお仕事は議事録を取るだけではなく、画面共有も大切な役割の一つです。画面共有では議事録を見せるだけではなく、参加者に資料を閲覧してもらうシーンもあります。
発表者が資料を用意してくれたらそれを表示する。
- 提案に対して質疑を行っている場合は、議事録と提案を分割表示して、記録と対象箇所の両方を表示する。
- 議論がホラクラシーのサークルの目的・範囲・責務に言及する場合は、それらが記載されている箇所を表示する。
といったように、必要な資料を必要なタイミングで表示することもセクの腕の見せ所です。
資料を開くのにも少し時間がかかるので、必要になりそうなタイミングで準備しておくと丁度良いと思います。お目当ての情報に素早くアクセスする技術は仕事を進める上でも有用性が高いので、ツール毎のショートカットキーを知っておくことをおすすめします。
明瞭化モード: あえて進行を減速させる
会議では時に1人または複数人の参加者がめちゃくちゃハイコンテクストな会話を繰り広げることがあります。参加している一定数の人間は「ポカーン」状態かもしれません。そんな時は、議事録を取るのも滅茶苦茶難しいと思います。さらに、自分がコンテクストを理解していない場合は、議事録どころの騒ぎではありません。
そんな時でもファシリテーターは会議を進める責任があるため、何とか前に話を進めようとする傾向があります。(これはファシに依るかもしれませんが、少なくとも自分はそうですw)そんなとき、意図的に会議を減速させる明瞭化モードの出番です。
「セクが追いついてないから」と一旦会議を止めます。そして話を明瞭化するために効果的な質問を投げかけていきます。どんな質問をするのかが腕の見せどころです。
ホラクラシー憲法には『有効な提案の定義』や『有効な反論の定義』が記載されているので、事前に読んでおいて「有効な提案の定義の記載に沿って説明してください。」といった明瞭化の仕方も効果的だと思います。
おまけ: 記録することで安心して脳内キャッシュをクリアできる
記憶は当てにならないもので、言ったことや考えたことは1週間後には大部分忘れてしまうと思います。
記録がしっかり残っていればそれを参照すれば良いので、安心して脳内キャッシュをクリアすることができます。脳内キャッシュが散らかっている状態は生産性が落ちるし、心理的安全性もよろしくないですよね・・・。
セクレタリーがしっかりと議事録を残してくれれば、会議の参加者は安心して脳内キャッシュをクリアできることになると思います。そうすれば、参加者みんなの幸せに少しでも貢献できますね。
自分もまだセクレタリーとして駆け出しですが、セクの技術を磨いて貢献していきたいと思います!