はじめに
こんにちは、しくみ製作所の穂積です。知見共有を目的とした取り組みである研究発表会にて、「KPI 計測基盤を作ってみた」というお話をしました。(前回の研究発表会では西口さんが以下の記事を書いてくれています。)
この記事が KPI 計測やリーンサイクルに興味がある方の一助になると幸いです。Google Looker Studio を用いたダッシュボードの例や BigQuery を用いた構成例が登場しますよ〜
最初に発表資料を貼っておきます。記事中で同等の内容を述べるので必ずしも見る必要はないですが。
どんな内容を発表したか?
今回の発表ではざっくり言うと以下の3点を述べました。
- なぜ KPI 計測基盤を作ろうと思ったのか?
- どんな KPI 計測基盤を作ったのか?
- 今後どうして行きたいのか ← 内部的な話も含むので今回の記事では省略
なぜ KPI 計測基盤を作ろうと思ったのか?
しくみ製作所の受託開発は以下のモデルに沿って進行しています。リーンサイクルにおいて「計測」をもっと強化できないかな?と思ったのが始まりでした。
共感してくださる方もいると思うのですが、Google Analytics (GA) を入れた後で以下のようになってしまったことはないでしょうか?
- プロダクトオーナーなど一部の人しか見ていない・・・
- 定期的に見る習慣がなく最初だけ見て終わってしまった・・・
こんな状況を打破したいと思い、KPI ダッシュボードを2年前ぐらいから試行錯誤して作ってきました!目指したのはチームに KPI を改善する文化を根付かせることです。チームが重要としている KPI が一目でわかり、Notion に埋め込むことでチームプロセスに自然に溶け込む、そんなダッシュボードを作りたいと思いました。
どんな KPI 計測基盤を作ったのか?
作成したのはデータベース(DB)と GA のデータを横断的に閲覧できるダッシュボードです。収益や会員といった DB にある情報と、トラフィックなどの GA にある情報を一括で閲覧することができます。下にサンプルダッシュボードを埋め込んだので実際に動かしてみてください。
これらのダッシュボードは Notion に埋め込めるようになっており、プロセスに組み込むことで自然と閲覧する機会を創出することができます。例えば、私のプロジェクトでは、デイリースクラムガイドにこのようなダッシュボードを埋め込むことで、毎日数値変動を見て施策の影響を確認しています。
では、次にこのダッシュボードがどんな風に作られ、またどんな強みがあるのか説明したいと思います。
システム構成
このダッシュボードは以下のシステム構成で作成しています。
- フロントに採用したのは Google が提供している Looker Studio です。
- データの取りまとめ役として BigQuery を挟んでいます。
- 元データは DB と GA から。
この構成の強み
このような構成を取ることで、以下のような強みを得られたと感じています。
- プロジェクトの状況に応じて表示する KPI を柔軟に変更できる。
- Database と Google Analytics のデータを繋ぎ合わせて分析できる。
KPI を柔軟に変更できる
Looker Studio を用いることで以下のような利点があります。
- ノーコードでフロントを修正できる
- 多様なグラフが準備されており、データに合わせた表示形式を選択できる
これらの利点によって、コーディングができないプロダクトオーナーやマーケターが直接ダッシュボードを修正し、状況に応じて表示する KPI を変更できると考えています。
DB と GA のデータを繋ぎ合わせて分析できる
実はこのダッシュボードでは、単にデータを一緒に見られるだけでなく、繋ぎ合わせて分析することができます。例えば、DB のデータで絞り込んだ状態で GA のデータを閲覧するなんてことができるんです。
サンプル動画を撮ってみました。この例では、DB 側の情報である記事のカテゴリで絞り込みを行い、その上で GA の情報であるユーザー数やページビュー数を確認することができています。
なぜこのようなことができるかというと、BigQuery 上で、DB と GA のデータの記事IDを元にジョインしているためです。2つのデータが記事IDによって繋ぎ合わさっているため、このような分析ができます。
さいごに
この KPI 計測基盤には結構手応えを感じており、他案件に水平展開していきたいな〜と思っています。もし読者の方で「作って欲しい!」と言う方がいらっしゃいましたら、弊社HPのお問い合わせよりご連絡いただけると嬉しいです。読んでいただきありがとうございました!