はじめに
しくみメンバーの魅力を伝えるインタビューシリーズ。 第8回は、自分を信じず疑わずがモットーの ”matsubayashiさん” です。
「自分のことは自分で」と自立心の芽生えが早かった学生時代を過ごし、自らの意志で様々な経験をして来られました。そして、今でも様々なことにフットワーク軽く挑戦されています。そんな姿にたくさんの刺激を受けたインタビューとなりました。
メンバーがこれまでの歩みを振り返る形でご紹介いたします。
とにかく全てに無我夢中だった学生時代
5人兄弟の4番目です。親の干渉を受けたくなかったからなのか、小さい頃から周りにたくさん人がいたからかなのか、一人になりたい!ってよく思っていました。
自然と兄姉を見て育ちますよね。高校生になっても携帯を買ってもらえないのを見て「このままだと俺も…」という不安に苛まれ、どうしたら携帯を買ってもらえるかばかり考えて中学時代を過ごします。理系は得意でした。兄姉のように進学校へ行くのかなと思いながら、ある日その携帯問題に結論が出ました。
「寮に入ったらいいじゃん」
全寮制の高専です。PCが使えないと意味ないよな情報科選ぶかと思っていたのと、中学の先生から「校則が緩くてお前に合っているぞ」とお墨付をいただいたこともあって入学を決めました。
入学後、欲しかった携帯を手にし、現実がだんだんと見えてきます。 思春期です、理系の学校なので女子が少ないんです。まぁでも男ばかりでしたが、それなりに楽しくはやっていましたね。
80%が就職する中、私は大学進学を選びました。純粋に勉強したいなと思ったのと、プログラミングできた方がいいよなと思って。高専時代に授業はあったものの、そこまで前のめりではなかったので改めて学びたいと思ったんです。就職すると当たり前ですが、何年もずっと働くし、今はまだ学生でいてもいいかなという気持ちもありました。
高専生は3年からの編入になります。高専卒業生に合わせたカリキュラムの大学が新潟と愛知にあって、雪国ではない愛知を選びました。
大学ではソーシャルロボットの研究をしていました。人とコミュニケーションできる社会性の高いロボットの開発です。単に多機能になればいいということだけでないとわかりましたが、まだまだ答えの出ない奥深い研究でした。ただここで、今まで勉強することにおいて「やらされている」という感覚だったのが「やりたい」に変わったことを強く実感しました。今でも認知科学や行動科学の分野に興味があるのもこの経験が深く関係していると思っています。
学生時代を語るには、私にとってアルバイトも欠かせない存在です。奨学金ももらっていましたが、高専生から学費や生活費の全てを自分で賄っていました。そして、忘れもしない大学生の時に借金をしてネットショップを開設し、薄利多売でコスパが見合わずにアルバイトを掛け持ちすることに。家庭教師や塾講師、深夜のコンビニ等、週10勤務くらいの感覚で働いていました。そんなこんなで大学院にも受かっていたのですが、就職することになったのです。
「何を作るか」から自分で考えたい
冬に始めた就職活動。通年募集しているところしかなかったので、ステップアップくらいに捉えて動いていました。1社目は金沢への配属となり、組込み系エンジニアとしてスタートしました。C/C++,Java,アセンブリ等を使用しての遊戯機のソフトウェア開発です。正直、レガシーな技術ばかりで面白さを見出せなかったので、汎用性の高い技術を身につけようとVBやRubyで社内ツールの改良を行なっていました。隣の席の上司がよく「あー、ここ直せないかなー」と呟いていて、勝手に作って「はい、どうぞ」って。 なんだかんだお世話になりながらも、クローズドな技術への不安が大きくなり、転職を考えるようになりました。
2社目では、ゲームプログラマーとして入社したのですが、働いていくうちに周囲が私の経験を知ってくれ「小さい案件だと最初から最後まで関われるよ」と、プランナーとしてもガラケーやスマホ向けMMORPGの開発・企画・運営に幅広く携わるようになりました。自分で考え、作ったものが、遊んで喜んでもらえる体験は大きなやりがいをもたらせてくれました。
この後、30〜40人のスマホ向けリアルタイムRPGの開発PJへ純粋にプログラマーとしてアサインされました。が、決められたものを作るより、しっかり企画していきたいとこの時改めて感じました。ただ、メジャー級ゲームの各要素(売上、経費、人員、広告、ユーザーKPI等)の数値感やスケール感が体験できたことはとても大きな学びでしたね。
そうこうしていると「自分の手で稼ぐ」ことを実感したい自分が大きくなってきて、やるなら若いうちにいろいろ経験しておこうと、思い切ってフリーランスになることに。友人が震災を機に活動していた石巻で、自分も地域の力になれればなと思いました。
「今を動きながら次の種を蒔く」というポリシーみたいなのがあるんですが、常にこれを意識しながら仕事を進めていて、ゲームのコンセプトアート・キャラクターデザイン・イラスト制作、店舗・企業のWebデザイン・ロゴデザイン・印刷物制作等いろいろやらせてもらいました。
フルリモートは期待通りの体験
その後、フリーランスがあまりフリーでないことに気づき、会社員に戻るのですが。(笑) 石巻での繋がりも大事にしたいとフルリモートで探しつつ、と言っても当時は本当に少ない選択肢でした。
しくみ製作所(以下、しくみ)の話は、この一年前くらいに聞いていたんです。前職の友人が数名入社していたんですね。abeさんnakaneさんは仕事で一緒になったことはなかったけれど、abeさんはほぼ同期で、飲みに行ったり、プライベートで遊ぶグループのメンバーでした。
「めっちゃいいよ」「リモートいいよ」「快適だよ」
この話を思い出して検索してみたら、ちょうどBONDOのコミュニティマネージャーを募集していて、俺行けるかな?と思ったんです。
いきなり受けちゃったんですね。知人を介してみたいなのがどうだろうって思ったんで、表から行きました。(笑) すると優しいabeさんは「受けるの〜?」って連絡くれました。
しくみに入ってからは、フルリモートという環境に飛び込む感じだったので、毎日新しい体験を吸収していく日々で、期待通り楽しいものでした。ある程度想像していたメリット・デメリットを一つひとつ紐解いていくような感じです。驚いたのは、管理方法。管理できないから、そもそも管理しない。この発想は自分の中にはありませんでした。だからこそ、リテラシーの高い人を採っていることも理解できました。
入社から5年程ずっと携わらせてもらっているのがBONDOです。コミュニティマネージャーとして、ファンや利用者、顧客同士のコミュニティの運営、分析、企画等を行なっています。学生時から読書でもインプットしてきた心理学・社会学・行動科学などの知識の実践の場にもなり、これまでのゲーム業界のあらゆる職種経験と知識が活かせたと思っています。
当初は、役員からアルバイトまでと幅広いメンバー構成でしたが、立場に関係なく誰でもアイデアを出したり意見できる雰囲気のチームでした。マネージャーとして、業務改善も進めつつ、スタッフのメンタルケアやモチベートも重要な仕事の一つとして取り組みました。
まず、報酬の見直しから。 「これをやったら」というゴールがあり、報酬とアクションが結びついていたのですが、そのためにしか動かなくなるという懸念がありました。「ユーザーがこうしてくれたら」と少し角度を変えると、どうすればいいか考えてくれるようになり、Twitterを運用する楽しさを失わずに活動してもらえるようになったと思います。あと、機械的な作業はできるだけ自動化し、企画やユーザーコミュニケーションに集中してもらえるような環境を作りました。スタッフが仕事を楽しんでできることが、その先にいるユーザーが楽しんでくれることに直接繋がっていくと思うので、自ら楽しみを見出してもらえるような設計を目指しました。
マネジメントをしていると、自分のメンタルを健全にしておくことも重要だと感じます。最近は少し怠りがちなんですが、ケアとしては運動が有効だなと思っていて、精神的な疲労も感じにくくなったり、感情の安定も促進してくれるなと。余裕のある時にメタ認知的に振り返りながら、自分を客観視することで、切羽詰まった状態をつくらないように心がけています。
また、ここ一年は自社サービスreBakoのCSも担当しました。新しい分野のサービスだったので、どうやるか、どうなるかを模索しながら進む感じは新鮮で面白かったです。同時に新しいサービスを知ってもらう、広めることの難しさも痛感しました。利用者に関しても、これまでは主にゲームユーザーのみだったので比較すると層も幅広く、リテラシーの違いもあり、対応が大変な時もありました。周囲と協力しながら進めてきましたが、この経験がまたどこかで活かせればと思っています。
誰もやりたがらないことに手を挙げていきたい
しくみは、適度にカジュアルでリラックスした雰囲気があり、それを維持できるだけの責任感やスキルを持った人の集まりだなと感じます。メンバーの普段の働きぶりを見ていて純粋にそう感じるし、特別休暇やリモートワーク補助金等の福利厚生もそのようにできていると思います。
フレームワークやツール等もメンバーの意見をどんどん取り入れてくれるので、その分、社内の様々な変化はとても速いです。逆に変化になれると一つひとつに思い入れがなくなっていくので注意も必要かなとは思っていますが、新しいものに触れられるのは良い環境だと思いますね。
私は日頃から「会社の利益を上げる為に自社サービスの創出や成長に貢献する」というのを目標にしているのですが、今期は更に新しいサービスに携わる機会もあり、ワクワクしています。
ただ、担当内容に関わらず、上手く回せてたり、成長を感じられたり、困難にぶつかっても解決の糸口が見えていれば、何でもやりがいを感じられると思っているので、誰もやりたがらないようなことをやるのも意識しています。褒められたり、感謝されると嬉しいじゃないですか。なので自分がやりたいことを優先するよりは、自分が得意なことや希望者がいなところを埋めていく動きができればいいなと思っています。
普段は、午前に単純作業やルーティンワークを終わらせます。午後からクリエイティブ作業や企画に専念する方が、自分には合っているなと。午後の方がリラックスして、いろいろ思考が進む感覚がありますね。
現在、撮影スタジオを経営していて、平日は貸スタジオ、土日はフォトウェディング・七五三・成人式・記念日などの写真撮影やソーシャルメディアのコンサルティング・コンテンツ制作等を行なっています。ここらの編集作業等を退勤してから進めつつ、大好きな読書(宇宙・化学・生物・文学)やカメラいじり、そして植物なんかと戯れて一日を終えます。
有難いことに充実した毎日ですが「心の余裕が大事」だとも感じているので隙間や暇も作るように心がける毎日です。
さいごに
プライベートでは自分の得意を仕事にする為に「得意なことを探す・作る・周囲に示す」というのをやっている気がしました。それにより、声を掛けてもらったり、チャンスをいただけることが多くなったと思います。苦手なことは得意な人と組んでやればいいし、何かやってみたいことがあればまずは周りを見渡してみるのがいいかもしれません。これは、会社においても同じことが言えるとも思いますね。しくみは有難いことにそういう環境も整っているので、興味のある方は是非お声掛けいただけたらと思います。
私はしくみで働くことにより、ワークライフバランスのとれた毎日を送ることができています。 会社にはいろんなタイプの人がいた方が良いと思っているので、今まで会ったことのないような人と一緒に働いてみたいですね。ただ、最低限お互いの違いを理解し合おうと努力できることは大事だと感じます。自己管理をしっかりしつつ、変化を楽しめる人がしくみには合っていると思います。仕事の話はもちろん、趣味の話もしながら理解を深めていけると嬉しいです。