はじめに
こんにちは、エンジニアからいつの間にかディレクターに転身しておりますとってぃです。
しくみ製作所ではエンジニア実務経験のない「ポテンシャル枠」という採用を設け、エンジニア育成にも力を入れております。(ポテンシャル枠についてはこちらの記事などをご覧ください。)
ポテンシャル枠で入社していただくメンバーの増加と共に、ポテンシャル枠を卒業するエンジニアも順調に増えてまいりました。
彼らは技術の学習方法を寺子屋制度(ポテンシャル枠採用メンバーの成長支援を目的とした研究室のような場)で身につけ、開発を実務で経験し、日々プロジェクトで開発タスクをこなしてくれています。
いわば、自動車学校を卒業して運転免許を取得し初心者マークをつけて一般道で爽快に運転しているといったところでしょうか。
寺子屋という教習所では、わからないことがあれば教えてくれる先生もいれば教材もありました。しかし、一度卒業してしまうとそういった頼れる場所や存在が少なくなり、現場任せの状況になってしまいます。
そんな初心者マークの方々を対象に、しくみ製作所では「エンジニアグループコーチング」という会を設置し、快適なドライビングライフもといエンジニアライフの手助けに取り組んでおります。
グループコーチングとは
その名の通り1on1でコーチングを行うのではなく、部署や役割の違う人たち同士で集まり多角的な視点から1人の課題を解く、といったものが一般的なようです。
しくみのエンジニアグループコーチングも初めは課題解決を目的に設定していましたが、似たような境遇の参加者が集まる会では別の価値が生まれ変化していきました。
では実際にどのような運用になっているのか、設計の意図と併せてご紹介させていただきます。
設計
- ポテンシャル枠エンジニアを卒業し、シニアエンジニア未満の方が対象
- 初心者マークのエンジニアが気楽に集まれる場の提供を目的としています
- 毎週1回1時間を定例枠とし、参加者同士で学習体験の共有をする
- 今週やったことを業務内外かかわらず自由に共有し、課題の解消や学びのきっかけを習慣化します
- シニアエンジニアから1名ゲストとして参加する
- 経験豊富なエンジニアも会に参加してもらうことでコーチングの要素も取り入れています
- どんなエンジニアになりたいのか自分の理想像を開示する
- まずは自分を知ってもらうことから、その後のアドバイスを考える際の材料にしてもらいます
- 共有された事柄についてみんなで深掘りしていく
- 雑談形式で発散と収縮を繰り返しながら煮詰めていきます
- 萎縮せずラフにワイワイ楽しく
- 継続して実施するために心理的安全性を高めています
- 最後に参加メンバーから会についての振り返りとして一言もらう
- 会自体を改善していくために、進め方について参加者からの感想を元に次回に活かしています
アジェンダ
- ゲストメンバーに会の説明
- 会の目的
- 会のアジェンダ
- アイスブレイク
- 参加者から意気込みを一言ずつ
- 下記を1人ずつループ(1人30分弱の時間が望ましい)
- 発表
- 目標、自己紹介
- 最近のトピック
- そこからの課題、学び
- これからのチャレンジ
- 発表を聞いて参加者及びゲストから一人ずつコメントや見解を発表
- 質問
- 共感
- 解決案
- コメントに対しての深掘り
- 雑談形式で話したいことをみんなで話す
- 振り返り
- 終えて一言
- 会の改善について
相互作用が得られる場に
このような具合で毎週やっておりますが、参加者からは概ね好評いただいております。
実際参加しているメンバーに、この会に参加してよかったと感じていることについて聞いてみました。
- 学んだ知識や業務に対するリフレクションのきっかけになる(自身を客観的に振り返る)
- やっていることに対してのフィードバックがもらえる
- 他の人の学習・知見を取り入れることができる
- 息抜き
特にエンジニアは、最近どんなものを作っているのかを共有することと相性がいいようで、成果物を見せながらあーでもこーでもと議論をしているとコーチする側の学びにもなって喜ばれます。
またシニアエンジニアのゲストは毎回変わるのですが、9割の人が「みんな自分で勉強しててすごい」と刺激を受けて帰っていきます。そういった意味で教える側も教わる相互作用が副次的に得られているようです。
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しくみ製作所では、エンジニアの他にもプロジェクト管理者やリーダーごとにグループコーチングを運用しています。それぞれの会ごとに設計も変えています。
グループコーチングは集まる人の組み合わせや職種次第で機能したりしなかったりすることもあるので、なるべく柔軟に対応していくのがいいのではないかと運用しながら考えています。
今後も続けながら、都度最適な設計をしていきたいです。またご報告できれば!