しくみ製作所代表の車より 今月のつぶやき「2024年度に向けて」

Date
March 30, 2024
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はじめに

3月・4月で風邪を4回も引いてしまっていて、2ヶ月間ダウン気味な毎日を過ごしていました。具合が悪いと、頭も働かないので、改めて体調って大切だなと感じますね。

遅くなりましたが、2024年度について書きたいと思います。今年度は会社のアップデートを進めないといけない年だと考えています。

この会社の基盤になっているシステム開発の全体的な底上げをしつつ、強みを強化していきたいです。 内容としては、プロジェクトの強化・設計の強化が中心になるかと思います。

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ふりかえってみても、やはり「進め方」などのプロジェクト的側面は、設計にも効くし、参加するメンバー一人ひとりの長所を活かす運営をしていくためにも大切です。

また、今年の自分の動きとして変更することとしては、抽象的な方針だけではなく、行動目標レベルまでブレイクダウンして相談に入り、推進性を上げることだと思っています。実行自体はみんなにやってもらいたいのですが、そのつなぎとなる部分をきちんと考えて作戦を練っていきたいです。

開発DX

この会社の取り組みを今後どうしようかなと考えてみると、開発プロセス自体をDX的に改善していくことが、大きな柱かなと思います。国内でも今後、生産人口は確実に減っていき、1人当たりの生産性を上げていくことは必須になってくると思っています。

エンジニアやデザイナーの個人作業環境は言語・フレームワーク・ライブラリ・ツールなどが日々改善されています。最近だと生成AIなんかも出てきて、すごい勢いですよね。この個人レベルについてはきちんと波についていきながら個人単位での生産性を上げる環境を用意したいと思っています。

一方で、会社としては、「プロジェクト」「チーム」などの集合と、「企画・計画」「プロダクト」「システム」のような「チーム」の考えを集めて1つのものを作り上げる「設計」だと考えます。

今後、全ての企業がIT企業になっていくと思うので、そうなると全ての会社でプロダクトやシステム開発のプロジェクトが発生し、色々な成功や失敗が繰り広げられていくと想像します。これまで、小さいプロジェクトから大きなプロジェクトまである程度実施してきているので、それらの知見を市場に対して還元していきたいとも考えています。

アナログとデジタルの作戦

この取り組みを始めるものの、アナログ感は内部の運営としては残したいなとも思っています。アナログ感とデジタル感の2つをきちんと両立させる運営を今回はテーマに作戦を考えたいです。 こういう二項対立系は結局両方考えないといけないんですよね・・。どちらかが強く必要とされる時期はあるんですが、結局どちらも大切で両方総合的にやるしかないんだと思っています。

チームとして機能するプロジェクト

「プロジェクト」や「チーム」については、弊社で動かしているプロジェクトもかなりアナログな部分が残っていると思っています。アサインやプロセスの組み方・課題と改善策など、本当に毎回首の皮一枚でという感覚もありますが、知恵と工夫で乗り切れているとは思います。

そもそも、なぜ、いつも大変なんだろうと考えると、プロジェクトというものが、1回しか発生しないもので、誰も経験したことがない未知のものなんですよね。

未知のものを「どう乗り越えていくのか?」という大きな問いを立て、会社の垣根を越えて協力してクリアしていくということ自体、面白い仕事だなとも思います。

それはそれでやりがいはあるんですが、さすがにもう少しなんとかなるだろうと。このアナログ感をデジタルに置き換えないといけないなと思っています。

アサイン

まずは、アサインの最適化をテーマに仕組みを整えたいですね。 外部からプロジェクトへ干渉しようと思うと、アサインが最重要だと思っています。これは、プロジェクトの置かれている状況・利用技術・構成しているメンバーと、アサインされる側の人のマッチングの問題になります。アナログなコミュニケーションとしては、プロジェクト側からのコミュニケーションを強化したいです。

アサインの適切性については、プロジェクト側が一番わかっているので色々とエスカレーションをかけてもらう形で実施しつつ、一方でデジタルな方式として、人とプロジェクトの推薦システムを技術セット・ベルビンモデルの役割・過去のアサイン履歴・ふりかえりの情報等を活用しての実装を考えています。

そのままシステムを利用することはしないのですが、よりダイナミックなアサイン案を推薦してくれるシステムができると思います。

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出典:https://blog.smile-communication.jp/meredith-belbin

課題と策

これまでプロジェクトを色々と見てきて、課題が多いプロジェクトの方がパフォーマンスが良いなと感じています。課題を課題だと認知しているプロジェクトでは、その課題を解消するための取り組みを実施することになるので、時間と共に良くなっていくんですよね。 一方で、課題がなくて粛々とやっていますよ系のプロジェクトは、そもそも良くする目標がない状況に陥っているので、実は潜在的な課題を抱えていることが多いと思っています。

アナログなアプローチとしては、何が課題の本質で、何を改善しようとしているのかについては、年間を通じて各プロジェクトと会話していきたいです。

そのような中、デジタルなアプローチとしては、プロジェクト自体の成果物やプロセスの整備による欠損部分の可視化や、プロジェクトの課題と策の推薦などをデータを貯めながら出していきたいと思っています。

これは最低限の話かなとも思うのですぐに取り組みます。

運営方法と生産性

定量的にプロジェクトを計測して、開発生産性を高める取り組みも行っていきたいです。

個人的には、まずは大きく「何を作るのか?」「どう進めるのか?」を整理します。

  • 投資対効果・・・何を作るのか?
  • 投資回収期間・・・どう進めるのか?

前者については、効果に関する指標(アウトカム)・後者については、four keys(DORA指標)を導入し回収速度=フロー効率を高めることができないか?という問いをプロジェクト側に考えてもらえるような仕組みを考えたいです。

実際はいろいろな制約があってできないことも多いですが、その中でもプロジェクトの理想状態を高いところに置くと、課題( = 理想 - 現実 )が顕在化していくと思っています。

普段のプロジェクトの中で

これらのプロジェクト改善の動きは、可能な限り普段のプロジェクトの運営の中に組み込み改修することとセットで考えています。

プロジェクト改善のことを実際のプロジェクトなしに実験できると思えないというのが一番大きな気持ちですが、当然実際のプロジェクトの改善にも活かせます。実際、昨年から自分が担当しているところでは様々な課題解決の取り組みを行っていて、実際のプロジェクトでもすぐに実践されることで、効果も実感しやすくなっています。

そのため、何に取り組むかについては、プロジェクトの抱える課題と対になるように、慎重に議論しながらテーマを相談していきたいと思います。

デジタルツールの実装

ただ、いくつかのテーマについては、既存ツールの導入や、内部でのプロトタイプの実装を考えているので、その辺りは横断的なツール検討導入を考えていきます。

1つのものをアップデートする共同型の設計

プロジェクト計画・プロダクトやシステムの設計ではチームやユーザーの知恵を1つに集約していく作業が多いかと思います。いろいろな意見をもらっては、成果物を更新したり、優先順位をつけて実装していくというイメージです。

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こうした、1つのものを全員でアップデートしていくということ自体を、自分としては推進していきたいです。プロジェクトに参加しているメンバーは、「こうしたら良いんじゃないか」という意見を出して成果物に自分の意見も組み込む形で協力してもらいたいなと思っています。

成果物と会議

これらの仕掛けを成立させるために、共同で同じものを触っていくには会議と成果物を設計することが大切だと考えています。 基本的にこの考え方でプロジェクト側のプロセス設計も全て実施したいと思います。

Poit

データとして知見を貯めつつ、チームで協力できるようにしていくサービスとして、自社サービスのPoit を β版で公開したいと思っています。

1人でも使えるツールなので、まずは1人で使ってみてもらって、良さそうであればチーム内の情報共有・整理としていきたいです。まだ色々と荒いところはあるものの、個人的には最近常用してきているので、いったん荒い状態でも公開してしまい、そこから磨いていきたいなと思っています。

引き出し量を増やす技術要素

設計の肝として技術選定やアーキテクチャがあると思っています。

正直、実装においては、どんな技術を選定するかがかなり支配的だと思っていて、イケていないアーキテクチャや技術選定であれば「作って壊す」もありだと思います。

そこで、この技術選定やアーキテクチャを選考させるためには技術の引き出し量を増やしていく事を会社としては研究発表会や勉強会などを通して展開したいと考えています。 似ているテーマで、プロジェクトの改善施策の引き出し量の話もあるのですが、プロジェクト側は更新が遅くて、実はそこまでアップデートが激しくないんですよね。なので推薦システム的な機構も結構うまくいくんじゃないかと思っています。

一方で、技術側は日進月歩でどんどん進んでいきます。 推薦システム的にはコールドスタート問題というものになっていて、あんまり精度が高くない。そうなるのであれば、組織としての探索・情報交換・実験をお互いに交換する仕組みを作るべきなんだろうとも思っています。

データ分析

我々が開発に関わっているCMS・CRM・LMSなどでは、当然データをストックして管理・分析していくことが多いです。システムを開発していると、そのストックする箱側に目が行きがちで、貯まっているデータについての分析が薄くなるケースが多いなと感じています。

ただ、プロダクトの開発だと、ビジネス構造やユーザーへの理解ももちろんなのですが、ストックしているデータについての知見も大きなヒントになることが多いです。GA等で取るデータももちろんなのですが、もっと身近にDBに入っているデータを分析するだけでもいろいろな手がかりになることがあると思っています。

この辺のデータはビッグデータでもないし、実は気軽にSQLレベルでも色々分かる部分もあり、目新しい話でもないのですが、できる人の普通のことを一定のレベルでやるのって大変なんですよね・・・。

もちろん、セキュリティには配慮は必要で、安全に触ることができる環境を用意する必要はあるのですが、中身と箱の両方の理解を深めるような施策を取っていきたいです。

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出典:https://atmarkit.itmedia.co.jp/ait/articles/2303/20/news023.html

生成AI

実用レベルになってきているものの、社会実装がまだだいぶ足りていないと感じており、2024年度で色々と進むんじゃないかと思っています。 実際、業務レベルでの話を考えると、ハルシネーションが壁になっているなとは感じていて、どうやって人間と協調するかのUI/UXも必要になっていると感じます。

とはいえ、自然言語処理としては優秀なので、非構造化データの構造化や、データのクレンジングなどの地味な仕事での活用や、画像系の応用も実用レベルなので、システムへの組み込みを考えていきたいです。

検索・推薦

新しい概念でもありませんが、取り扱っているシステムとの親和性が高く、構造化・ベクトル化の後に検索や推薦の話は必ず出てきており、シンプルにテーマとして強化しておきたいなと感じています。

協調フィルタリング系の話については、改めて個人的にも勉強し直しており、最近の動向にまで追いつきたいと考えています。ちょうど、開発DX的にも肝になる推薦なども出てくるので、実装面含めて考えてみたいです。

さいごに

2024年度は開発自体をアナログ的なものではなく、デジタルにアップデートを推進するということで、しくみ製作所の強みを強化・作成していかないといけないと、と思っています。

自分たちが参加するプロジェクト・自分たちが作った知見を利用してくれるプロジェクトを増やしていき、色々なプロジェクトが成功するような環境を作りたいなと思っています。

最後になりますが、体調は大事なので、みなさん健康に気をつけて頑張っていきましょう!

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