大規模イベントをオンラインで実施できる自社サービスreBakoの開発のきっかけ

Date
October 8, 2020
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はじめに

みなさま、おそらくはじめまして。 しくみ製作所で、、なにしてるんだろう?なんかいろいろやってるnozomuといいます。基本雑務がメインですが、たまーーーに記事を書くような仕事もしますので、サボらず頑張ります。

今回は、いつもの記事とはやや毛色が違う内容になるかと思います。というのも、先日(2020/09/07)プレスリリースを打ったサービス『reBako』について話しなさい、という圧力を社内から受けまして、本サービスの開発きっかけや解決したい課題、ビジネスモデルなどについてまとめてみようと思いました。少しビジネスよりな話になるので、reBakoで使われている技術的な話なんかについての記事は、また担当のエンジニアに執筆を依頼しようかなー、と画策しています。

画像はイメージです
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全てが手探りの中で

遡ること約3年前、私が入社して1年ぐらい経った頃でしたかねー、社長らと自社サービスについて話す機会が増えるようになりました。どちらかといえば、自分はエンジニアリングというよりディレクションとかサービス設計みたいな仕事の方が向いていたようで、いろんな人の相談に乗るようになりました。壁打ち相手、みたいな表現は気に入って使ってますね。(単にお喋りなだけかも)

その中で、いくつか企画を立ち上げたんですが、どれもうまくはいかなかったです。その頃は、ビジネスモデルキャンバス、リーンスタートアップ、マーケットイン、プロダクトアウト・・・みたいなザ・ビジネスモデルに企画を当てはめる、みたいなやり方をしていて、どうもうまくいかないなー、と感じる日々でした。でも、これらのインプットがあって現在の自分があるので、時間を使ったことに特別後悔などはありません。どのフレームワークも正しく使えていなかった、というのが正しいのかな。

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当時の自分を振り返ると、随分無理やり企画を考えていたな、と思います。アイディアベースでプロダクトを創るという発想自体が、我々にはあってなかったと、今ならよくわかります。というか、そもそもサービスとかプロダクトって、考えて出てくるようなものじゃないのかな、と私は解釈しています。解決したい課題感を私たち自信が認知しており(Recognition)、解決できる能力があり(Capability)、市場が求めている(Market)タイミングが揃うと、プロダクトにすべきものが自然と定まる、というようなイメージかな。これはマーケットインでもプロダクトアウトでもほぼ変わらないと思います。どちらを起点に考えても、大筋のストーリーは同じなんですよね。

ぼんやりとあった未来図

その3年ほど前からreBakoの構想自体はありました。当時、社員数が結構増えてきていて、20〜30名程度になっていたと記憶しています(正確には覚えてない)。その頃から、コミュニケーションが分散的になり、集合して会話することが難しくなってきていました。zoomやMeetなどのツールを利用して会話していたのですが、これらのツールは多人数が多対多で双方向的に会話することを目的にしたツールではなかったからです。ある人数を閾値にして、一方通行のコミュニケーション(今後ブロードキャスト型と呼びます)ツールになってしまう。これはパーソナルスペースの概念を理解するとある程度理解できるかと思いますが、これ以上語ると長くなりすぎるのでここでは紹介に止めておきます。

では、ブロードキャスト型では何が問題だったのか?別に集まって周知する目的だけなら達成できているんですよね。端的にいうと、飲み会ができなかったんです笑

今ではもう、わりと当たり前の概念になりましたが、弊社では3年以上前からオンライン飲み会を開いていました。何しろフルリモートワークですから、北海道と東京では物理的に気軽に会うことはできないですよね。ただ、この参加人数が6人ぐらいになってくるとどうも話しにくくなるんですよ。それが20人ともなれば、双方向の会話はもはや諦めざるを得ないですよね。当時はパーソナルスペースの概念もよく理解できていなかったので、具体的に何が課題なのかは認知できなかったものの、距離感がおかしいんじゃないか?という仮説はありました。

そこで距離感の問題を解消できるツールを開発したらどうか?というアイディア自体は出てきていたんです。もちろん当時もこれを解決するツールを作ろう!という機運はあったんですが、これを作ったとして誰が使うんだろう?というマーケットの問題がありました。また、技術的にも通信周りについて研究できていたわけでもなかったため、実現方法もそれほど具体的にイメージできていませんでした。つまり、ぼんやりとした課題感、Capabilityの不足、Marketの需要、全てが揃ってなかったんですね。ほぼ断言しても良いと思うんですが、当時このプロダクトを作っても、誰も見向きもしてくれなかったんじゃないかな。現在のコロナ過にあって始めて、Marketが生まれたと考えています。

具体的なオンライン飲み会の課題としては、オフラインの飲み会に比べてとにかく話しにくい。オフラインだと何人かのグループに分かれてちょこちょこ話して、席を変えてまた話して、みたいなループじゃないですか。これがブロードキャスト型のツールを使うと誰かが話終わるのを待って、また誰かが話して、、という一々話が終わるまで待たなきゃいけないんです。その間、参加者は興味のない話題に対しても聞いていなければならず、飲み会への参加感が湧いてこない。じゃあ部屋をたくさんたてればいいじゃん、と思うかもしれないですけど、今度は単純に面倒だし、出入りがしにくい。何より、飲み会の場にいるだけで楽しい感じが演出できない。これらが課題でしたが、結果的にしばらくは放置されることに・・・。

いよいよ開発へ

さて、そんなこんなで3年前から何度かreBakoに近いツールについての企画が出ては消え、というのを繰り返してきましたが、with コロナ時代の到来により状況が一変します。何度も話が脱線して申し訳ないのですが、弊社のMissionは『少し未来の日常をつくる』というものです。この、「少し未来の日常」がコロナで急加速してやってきてしまったんですよね。実際、このMissionは2〜3年前ぐらいから掲げていますが、最近「New Normal」という言葉が世間を賑わせています。これ、まさに「少し未来の日常」じゃないですか。この言葉を聞いたときはちょっと笑ってしまいました。と同時に、我々のMission達成より先に「New Normal」がやってきてしまう、という事態にもなり焦らされてもいます。

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そして今こそMarketの準備が整った、という状態になり、満を持してreBakoの開発に取り掛かりました。ちょっと出遅れた感は否めませんが、言い訳をさせてください!我々はコロナが来た当初、圧倒的に仕事が減ると思ったんです。普通に考えるとコロナは多くのMarketに対して大打撃となるはずで、事実、消費は落ち込み多くの企業が倒れています。そんなわけで、まずは生き残るためにできるだけ多くの仕事を確保しようと営業していました。その傍らreBakoも進めていく、という形をとっていたので少しゆっくり目に進んでいたんです。ところが、我々の当初の見立てと異なり、仕事はそれほど減らず、営業してきた仕事のほとんどが取れてしまうという、逆転現象が発生してしまったんです。一応仮説上は仕事が増えるストーリーも考えてはいました。というのも、コロナによってオンライン化が必須になってくる世界観では、我々の仕事は逆に増加しうるだろうというものです。とはいえ、開発事業は基本投資案件であるため、企業側に体力がなければそもそも開発企画に余力を回していられないはず、ということで減る見立てだったんですが・・・あてが外れました。これはこれでうれしい悲鳴ではありますが。(狙い通りでもあるため、誰も悪くないはず。。)

そういうわけで、大量の仕事を捌いている合間にreBakoの開発も着々と進め、とうとう先日サービス開始に漕ぎ着けました。長いようであっという間でしたね。まだまだプロダクトとしてはβ版ですが、最低限イベントに必要な機能は用意できたと思います。次回は、どんなアプローチでどんな課題を解決しているのか、という話に移ろうと思います。