Splatoonの仲間作りを目的としたコミュニティサービス「イカナカマ」の開発から感じたtoCサービスの面白さ

Date
December 5, 2015
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はじめに

この記事は、Splatoon Advent Calendar 5日目の記事です。 弊社が開発している Web サービス「イカナカマ」について書きました。

Web サービスの開発工程や、toC(個人向け)サービスの面白さも含めて書いたつもりです。 読んでいただいた方が、「Web サービスってこうやって作るのか!楽しそう!!」と思っていただけたら嬉しいです。

イカナカマとは

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イカナカマは、WiiU のゲームソフト「Splatoon」 のナカマ作りを目的としたコミュニティサービスです。

イカナカマを使うことで、Splatoon のフレンド募集や、チームメンバー募集をすることができます。Splatoon をやっているイカしたみなさんは、

  1. Splatoon を1人でやるのにあきたーー、けど、フレンドいない(´・ω・`)
  2. チーム作って大会とかでたい!でも、メンバーいない(´・ω・`)

と思ったことはありませんか?…. 私は思いました!そこで、これらを解決するサービスとしてイカナカマを作りました。

開発着手まで

イカナカマを作りたいと思っていたが、機会のなかった私に、朗報が舞い込みます。 弊社社長より、「チビプロジェクト」という企画が発表されました。

チビプロジェクトとは、社員それぞれがサービス企画を練り、社員の合意が得られれば、業務の一環としてサービスを作って良いという企画です。そこで、私は「イカナカマ」を提案し、「イカナカマ」の開発にいたりました。

イカナカマ開発の進み方

イカナカマの開発は以下の手順で進みました。 ※振り返って、綺麗に整理するとですが、本当は、悪戦苦闘でグチャグチャです。笑

  1. ニーズ調査
  2. 既存サービスの調査と課題点の洗い出し
  3. MVP(Minimum Viable Product)の開発
  4. QCD (Quality, Cost, Delivery) の決定

ニーズ調査

イカナカマを作ろう!と意気込んでいた私に、社長が言いました。

チームを作ろうと思っている人はどのくらいいるの?

つまり、ニーズはあるのか?ということです。 「私はチーム作りたいと思っています!」では、説得力がないので、以下がどのくらい行われているかを調査し、ニーズはあると結論付けました。※数値は記録していませんでした。。。

  1. ツイッターハッシュタグ:#スプラトゥーンフレンド募集のツイート数
  2. スプラトゥーンフレンド募集掲示板の投稿数

既存サービスの調査と課題点

さて、ニーズ調査が終わり、よっしゃ!開発だ!と思った私に、また、社長が言います。

既存サービスではダメなの?何かまずいところがあるの?

「確かに、既存サービスで十分なら、、、」というわけで、次は、既存サービスの調査に乗り出しました。

Google 大先生に、「Splatoon フレンド」「Splatoon チーム」などとお尋ねしたところ、返ってきた解答は、「掲示板」や「ツイッターのハッシュタグ」でした。

これらを使ってみたところ、以下のような課題を感じました。 ※ lobi の存在には気づけず….

  1. 募集が締め切られているのか不明
  2. ウデマエなどで検索ができない
  3. メンバーがわからず、不安
  4. チームの雰囲気がわからん

「これじゃあ、イカしたフレンドも、イカしたチームも無理だろ….(TдT) 」と思い、これらの課題を克服できるサービスにすることに決めました。

※本来の Web サービス開発であれば、「課題インタビュー」を行い、課題の検証を行います。 課題インタビューとは、実際のユーザーにインタビューを行い、ユーザーが普段行っている行動、ユーザーが感じているゲイン(利益)、ユーザーが感じているペイン(不利益)を明らかにするものです。

MVP(Minimum Viable Product)の開発

さて、課題点もわかり、イカナカマの設計/実装段階になりました。ここで、妄想は膨らむ一方です。

  1. チームができたら、チーム内でチャットしたいだろうな〜
  2. チーム間の対戦もしたいな〜
  3. チーム間の対戦の次は、大会だよな〜()

しかし、最初から全てを含んだものを作るのは、リスクが大きすぎます。

なぜなら、調査したニーズや課題点がずれていたりして、サービスが失敗に終わる可能性があるためです。 そこで、 まずは、「MVP(Minimum Viable Product)」を設計することにしました。

MVPとは、検証したい価値を提供できる最小プロダクトのことです。イカナカマのMVPは、以下の機能しか持っていませんでした。

  1. ユーザー登録/編集ができる
  2. 登録しているユーザーの一覧が見れる
  3. チームの登録/編集ができる
  4. 登録しているチームの一覧が見れる
  5. チームにメンバー申請できる
  6. メンバー申請を受理できる
  7. チームメンバーが一覧で見れる

QCD の決定

MVP の設計ができたところで、実装に移りたいところですが、実装するときには決めるべきことがあります。

それは、QCDのどれを重要視するかということです。QCDとはビジネスにおいて、重要視すべき以下3つの指標のことです。

  1. Q : Quality (品質)
  2. C : Cost (価格)
  3. D : Delivery (納期)

QCDのどれを重要視するかは、プロダクトの性質によって変わります。

例えば、インフラ関係のサービスであれば、人命に関わるため、Qを最重要視する必要があります。

「イカナカマ」は、ユーザーが求めているものが不明確なサービスであったため、Dを優先し、なるべく早くユーザーに機能を提供することを目標としました。

MVP を決め、Dを優先したことにより、初期バージョンは、3日で完成し、リリースできました。

以上がイカナカマリリースまでの流れです。

Web サービスの作り方がなんとなく伝われば幸いです。

toC (個人向け)サービスで感じた面白いこと

次は、イカナカマをやっていて、楽しい!面白い!と感じたことを書きます。 イカナカマは、C (Customer : 個人顧客)向けのサービスです。

個人顧客向けであるがゆえに、多くの顧客の方とのコミュニケーションが発生します。

多くの顧客と接していると、イカナカマに協力してくれる方や、イカナカマをタネにして新しいアイディアを生み出してくれる方がいます。

それらは、私の想像を超えるものです。これは、 toC サービスならではの面白さだなと思っています。

イカナカマ川柳

まず、ご紹介したいのが、イカナカマ川柳です。

yuruna*= ゆるるん くコ:彡(@twinkle_yururun)さんがイカナカマに関する川柳を詠んでくれたのが発祥です。

その後、#イカナカマ川柳というハッシュタグもでき、多くの素敵な川柳が詠まれました。

※ 他にもイカナカマ大喜利と呼ばれる現象が発生しました。

イカナカマの協力してくれた方々

また、イカナカマに協力してくれる方々も現れました。ブ

キアイコンを提供してくれたすた(@sta_2nd)さんや、ファビコン/ロゴを作ってくれたゆろばあ(@_lzlzlz)さんなどです。

私は絵を描いたりすることはできないので、こういう方々が協力してくれるのは本当に有り難いことだなと思っています。

まとめ

以上、Web サービスの開発工程、toC サービスの面白さという観点から、イカナカマをご紹介しました。このブログを書いて、改めて、会社の人や、ユーザーの方々に支えられて、イカナカマは成長しているなと感じました。

これからも、Splatoon のプレイヤーがより楽しめるサービスを目指して頑張りますので、どうぞよろしくお願いします(`・ω・´)ゞ

以上、イカナカマでした。