コミュニティ構築で心がけていること

コミュニティ構築で心がけていること

ゲームは一人でも楽しいが一緒に遊ぶともっと楽しい。

そう言う私も Splatoon において他プレイヤーと遊ぶことの楽しさに取り憑かれた一人だ。2015年夏。 Splatoon は発売から数ヶ月にも関わらず大きな盛り上がりを見せていた。当時はゲーム配信の創世記、まだまだ少ない配信の中でも Splatoon トッププレイヤーである たいじ の配信には多くの視聴者が集まっていた。

たいじのプレイが凄いのはもちろんだが、チームメンバーと通話しながら楽しそうにプレイする姿に多くの人が魅了された。楽しさというのは伝播するもので、私自身も「チームを組みたいなぁ〜」と強く思うようになった。そして行き着いた。「そうだ!Splatoon のチームを組めるようなサービスを作ろう!」。

はじめまして、ゲームを中心にコミュニティの構築をしています、しくみ製作所の穂積です。この記事では、Splatoon のコミュニティサイトであるイカナカマの事例を取り上げ、コミュニティ構築の知見を共有します。

イカナカマとは?(知ってる人は飛ばしてね)

イカナカマとは、Splatoon プレイヤーのためのコミュニティサービスです。主な機能としてチームとイベントがあります。※ 任天堂とは一切関係がありません。

チームは一緒に遊ぶナカマを探すための機能です。社会人限定、初心者限定など多様なチームが生まれてきました。どこのチームもアイコンや説明文が凝っていて可愛いです。累計のチーム数は 10,459 個!(Splatoon2 移行後なので無印を含めるともっと多い)

チーム一覧
チーム一覧

イベントは主に大会を開くための機能です。こちらも大規模なガチ大会からブキや年齢縛りなどの変わり種まで多様な大会が開かれてきました。類型のイベント数は 5,567 個!

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さて、以降は設計と運用に分けて、それぞれにおける知見を共有します。

コミュニティ設計

まずは設計から。振り返ってみるとキーポイントとなったのは以下の考え方でした。

  1. 潜在顧客が毎日見るところにコンテンツを届ける
  2. 既存のシステムができないことを実現する
  3. 熱意がある人に拡散してもらう

潜在顧客が毎日いるところにコンテンツを届ける。

最初に考えたのは「顧客はどこにいるのか?」ということです。これに答えるのは簡単でした。なぜなら、自分自身が顧客だからです。自分も含め多くの Splatoon プレイヤーはTwitter で情報収集をしていました。もう一つ重要なことは、多くの人が毎日のように Twitter を見ていることでした。つまり、 Twitter にコンテンツを流せば毎日のように見てもらえる という勝ち筋が浮かんだのです。

今聞くと当たり前ですね(笑)でも、当時はコミュニティに長時間人を滞在させようとするのが当たり前だったんです。ここで、 Twitter に長時間いてもらって良い。必要になったらイカナカマにきてくれ と割り切れたのが良かったと思います。(弊社内部では 分散型コミュニティ と呼んでいました。

既存システムができないことを実現する

次に考えたことは「なぜ Twitter でチーム募集がされないのか?」ということです。理由は Twitter の機能ではチーム募集がしにくいからでした。短文ではチームの概要やメンバーについて説明するのに十分ではありません。そこで、ckeditor というカスタムエディタを採用し、画像を入れ込んだり文字色を変えたりしながら個性を出してチーム概要文を作成できる機能を作成しました。(前略プロフィールの再来と言われました。笑

熱意がある人に拡散してもらう

最後に考えたことは「チームを組みたい人が拡散するようにしよう」ということです。熱意がある人のツイートと第三者のツイートでは圧倒的に前者が強いです。そこで、チーム募集を作成した人がすぐにツイートし拡散できるようにしました。(Wantedly をめちゃくちゃ参考にしました。

設計まとめ

結論としては「チーム募集を作成し Twitter に拡散する」という今では当たり前の機能です。でも、当時はこれがなかったんです!笑 考え方自体は汎用的なものであり、Twitter などの SNS が流行している間は使えると思いますので試してみてください〜

コミュニティ運用

次にコミュニティ運用です。イカナカマではコミュニティ運用の Twitter アカウントを作成し、そこを中心とした運用を実施しました。潜在顧客は Twitter にいるという前提に立っていたので、接点を Twitter に持つのは自然なことでした。Twitter 運用におけるキーポイントは以下の3つです。

  1. 自分自身がコミュニティの一部になる
  2. イカナカマに興味がありそうな人にこちらから絡みに行く
  3. コミュニティ改善をみんなで実施する

自分自身がコミュニティの一部になる

まず、私自身もイカナカマの利用者であるという立場でスタートしました。(事実そうなので自然とそうなりました。)この立ち位置はとても重要だったな〜と思います。もし、同じ側に立ってなかった場合どうなるでしょうか?よく企業の公式アカウントにおいて、公式アカウント vs. ユーザーとなっているところがあると思います。そうなると、クソリプが大量につくことになります(笑) 「私もナカマなんです。一緒にこのサービスを楽しみましょう」 という立ち位置でコミュニティを回すことがとても大切だと思います。

イカナカマに興味がありそうな人たちにこちらから絡みに行く

次に、「イカナカマの利用者予備軍はどこにいるんだろうか?」と考えました。そこで、Twitter にて以下のような検索を実施しイカナカマ利用予備軍を特定しました。

  • 「イカナカマ」を含むツイートをしている
  • 「Splatoon チーム」を含むツイートをしている

これらの検索をすると以下のような人たちが出てきます。

  • イカナカマを使ってみたいけど勇気がいるな〜
  • イカナカマの使い方がわからない
  • Splatoon のチームを探しているけど見つからない

これらの人たちに対し、私は積極的にいいねやリプをつける活動を実施しました。この活動は二つの面で効果がありました。一つ目は高確率でイカナカマの利用者になってくれたこと、二つ目はイカナカマは色々教えてくれるいいやつだと界隈で認識していただけたことです。界隈の信頼を得たことで、後々リリースしたイベント機能に関しても、多くの方々が協力してくれたので定着することができました。

コミュニティ改善をみんなでやる

最後のキーポイントは、イカナカマの改善サイクルをみんなで回したことです。具体的には、Twitter アカウントにてイカナカマの今後の改善計画を公開し意見を募ったり、イカナカマに求めることを広く募集したりしました。結果、ユーザーが望んだ機能が実現されていくことになり、ユーザーが作り手側に立ってくれます。これに関してはスピードが重要でした。ユーザーが朝言ったことを昼過ぎに実現したりしたので、「はやっ!イカナカマやるやん」みたいな空気が当時はできていたと思います(笑)

コミュニティ運用まとめ

運用において一番重要なことは、運用者とユーザーが同じ側に立ち一緒にサービスをよくしていくことだと思います。コミュニティは1人では作ることができません。

まとめ

というわけで、イカナカマを事例にコミュニティ運用の知見(?)を書き記しました。知見というよりは心構えみたいになっちゃいましたけど(笑)コミュニティの構築や運用を考えている皆さんの一助になれば幸いです。