はじめに
はじめまして。しくみ製作所のkinokoと申します。
私は実務未経験枠(=ポテンシャル枠、以下ポテ枠)として2021年7月よりエンジニアとして働いており、執筆時点で入社から約2ヶ月半が経過しています。
そんな折にsakamotoさん、saitoさんに続いてポテ枠奮闘シリーズ第3弾としてブログの執筆依頼をいただき、喜んで引き受けさせていただきました。未経験からエンジニアを目指す方、検討する方の参考になれば幸いです。
本記事では「私がエンジニアになるまでの経緯」「実際エンジニアとしてしくみで働いてどうなのか」「今後どうなりたいのか」を書いていきたい思います。
※ ポテ枠制度そのものの詳細についてはkamocさん、yoshituguさんによる以下の記事をご参照ください。
エンジニアになるまでの経緯
これまでの経歴
私は現在27歳で、以下のような経歴を経てしくみ製作所に入社しました。
- 2019年3月 :大学院修了(農学院)
- 2019年4月〜:内装建材メーカー入社(製品企画職)
- 2020年8月〜:働きながらプログラミングスクール受講開始
- 2021年2月〜:プログラミングスクール卒業、就活開始
- 2021年3月 :しくみ製作所 内定
- 2021年6月 :内装建材メーカー退職
- 2021年7月〜:しくみ製作所入社
大学院までの専門も、最初に入社した会社もエンジニアとは縁遠い分野です。そこで、まずは私がなぜエンジニアになろうと思ったかについて書きたいと思います。
なぜエンジニアになろうと思ったのか
一言で言えば「自分の理想の『ものづくり』をしたかったから」となります。
前職の内装建材メーカーに入社した理由も「幼い頃より自分で考えたモノを形にすることが好きで、メーカーであればそれを仕事にできると思ったから」「自分の専門である森林・木材系の知識を活かせそうだったから」の2点が主な理由でした。
しかし、製品企画職として働く内に、自分の思っていた「ものづくり」のイメージと実際の業務内容とのギャップを抱き始めました。特に、自分の中では「自分の思う『ものづくり』のプロセスの一部にしか直接関わることができない」ことが1番大きなギャップでした。
単純化すると、製品が世に出るまでには「企画→開発→実用化(量産化)」のプロセスが必要です。前職ではそれぞれのプロセスを別の部署が担当していました。そうなると企画職の私は企画部分にしか直接関われないことになります。残りの開発や量産の部分に関しては各担当部署に依頼をして、完成品を確認し、また指示を出す… ということになります。
一方で今まで私がしてきたことは「自分で考えたものを自分の手で形にする」ことであり、それこそが自分にとっての「ものづくり」だったのだと、この時痛感しました。
そうなると今後配属が変わって開発職や工場勤務となった場合にも、結局はものづくりのプロセスの一部にしか関われず、自分の考える「ものづくり」ができる日は来ないのでは、という思いが日に日に強くなるのを感じました。
そのため転職を考え始め、もともとプログラミングに興味があったことも併せて「自分の考えたものを自分の手で形にできる職」としてのエンジニアに興味を持ち、未経験からの転職を目指すに至りました。
しくみ製作所入社までの経緯
- プログラミングスクールにて学習(2020年8月〜2021年2月)
- 就職活動(2021年2月〜2021年3月)
- プロダクトに直接関与できる
- 学ぶことがあり、同時にそれを活かす環境がある
- 自分の時間を最低限確保できる
- たのしそう
- 退職交渉〜退職(2021年3月〜2021年6月)
- しくみ製作所入社(2021年7月〜)
未経験からエンジニアを目指すにあたって、「基礎の基礎を学ぶこと」「就職サポート」の2点を求め、働きながらプログラミングスクールに通うことにしました。一旦仕事を辞めてスクールに通う選択をしなかったのは、一時的に職を失うことに対する抵抗感や、経済的な事情などによるものです。スクールに通っている間は平日は仕事、土日はスクールのカリキュラムを進めるという日々を送っていました。特に詰まることもなく順調に学習を進めることができ、この間にHTML, CSS, JavaScript, Ruby, Ruby on Rails等の基礎を学びました。
スクールの就職サポートのお世話になりながら、自分でも転職サイトを通じて気になった求人に応募していきました。コロナ禍ということもあってほぼ全てがリモート面接であったため、定時退社後にリモートで面接いただくなど、就活のために休みを取る必要があまりなかったのは救いでした。
企業選びの際に気にしていた主なポイントと、その理由は以下の通りです。
「なぜエンジニアになろうと思ったか」にも記載の通り、転職の中心的理由の一つです。
前述の通り前職では商品企画職でしたが、中身としては関係各所への連絡や書類作成等がメインでした。その中であまり学ぶことがないことへの退屈さを実感していたため、これも主なポイントとして考えていました。
前職で通勤時間が長かったことなどから家で取れる時間が減っており、自分のための時間があまり確保できていないことがストレスに繋がっていたためです。
興味が持てない業務内容だったり、業務内容に興味を持てる環境に身をおいていなかったりすると、モチベーションがかなり低下してしまうことを前職で実感したためです。個人的には重要な点でした。
複数社から内定を頂きましたが、最終的に上記のポイントを考えた際に最も自分の理想とマッチしていたしくみ製作所に入社させていただくこととしました。
年度の変わり目という会社側にとって最悪のタイミングで退職を切り出したことなどにより、退職交渉が長期化してしまいました。結果としてなんとか表面上は円満退職にこぎつけることができましたが、正直スクールでの学習とも就職活動とも比べ物にならないほど苦しい3ヶ月でした。
上記の経緯を経て、しくみ製作所にて働いています。
実際エンジニアとして しくみで働いてみてどうか
下記では大きく「エンジニアという職について」「しくみ製作所について」の2つに分けて、現時点で受けた印象を書きたいと思います。
エンジニアという職について
- 一貫した「ものづくり」ができる喜びがある
- 学ぶべきことが無数にある
- 業務内で必要になる技術
- それらを支える根幹的な技術
- 直接触ってはいないが、プロダクトを形作っている技術
- 技術同士を組み合わせる・応用する技術
- 実装方法におけるグッドパターン、アンチパターン
- セキュリティの知識
どんなに小さな機能の実装一つとっても「機能が満たすべき要件を考える→要件を満たすような実装方法を導く→実際に手を動かして実装する→指摘事項を改善し、実運用上問題ない形に仕上げる」というプロセスが存在します。これは前述した自分の考える「ものづくり」=「自分で考えたものを自分の手で形にする」ことと一致しています。そのため、充実した日々を過ごしています。
など、本当に多岐にわたる内容を学ぶ必要があります。
もちろん働きながら上記の知識や技術を身につけることは可能ですが、それでは断片的なものしか身につきません。そのため、業務外でも別途体系的な学びは必要となります。一方で前職のように「学ぶことがなくて退屈する」といったことは一切ありません。そのため、私にとってはある種好都合とも言えます。
しくみ製作所について
- フルリモートワークという良い文化がある
- 学べる・それを活かせる環境がある
- 心理的安全性が高い
私自身あまり自己管理が得意とは言えないため、はじめはフルリモートで自分を律することができるかかなり不安でした。しかし、仕事専用のスペースを確保し、自分のなかの「仕事スイッチ」のオンオフをできるようにしたことで、今の所大きな問題なく業務に集中できています。
むしろ、自分の周りの環境をカスタマイズできるメリットを享受しています。人目も気にならないし、独り言も大丈夫だし、音楽を聴いて集中モードに入ることもできます。これらによって、以前よりも自分のペースで働ける様になりました。コミュニケーションについてもslackを用いて迅速に連携ができ、各人のスケジュールもGoogleカレンダーで把握できるため、対面で働いていた前職よりもスムーズに感じています。
会社の環境がまさしく前述の企業選びのポイントに挙げた「学ぶことができ、同時にそれを活かす環境」にマッチしていました。特に「学ぶ」という面で、ポテ枠教育チームである「寺子屋」の環境に日々刺激をもらっています。毎週金曜に開催されるポテ枠メンバーの情報共有の場である「寺子屋お茶会」や、毎日slack上で報告されるポテ枠メンバーの日報によって他のポテ枠メンバーの学びが可視化されるため、自らも学ぼうという意欲が湧きます。
sakamotoさんやsaitoさんの記事でも言及されていますが、誰とでも・どんな方とでも気兼ねなく話せることができる空気が担保されています。そのため、わからないことや不安なことを発信するハードルがかなり低く、一人で考えてもわからないことを必要以上に抱え込んでしまう、といったことのリスクが少ない環境です。
今後の目標
- 技術的に自走する
- プロダクト全体を俯瞰して実装する
- クライアントの視点からプロダクトを見る
- 課題に対してしくみで解決する
正直、私の技術レベルはあまり高くありません。寺子屋ではポテ枠を「仕事力・技術力・学習力」の3つの軸について「タマゴ🐣・ヒヨコ🐥・コッコ🐔」の三段階で評価しますが、私の技術レベルはまだヒヨコ🐥の段階です。そのため、まずはこれをコッコ🐔に高め、受け持ったタスクについて自分の手で実施できるようになりたいです。
現在は自分が受け持ったタスクのみに目が行ってしまい、他の機能や他の方が受け持っているタスクへの影響まで考慮しきれていない場合が散見されます。そのため、自分の受け持った箇所だけではなく全体を俯瞰した時にどういう形で実装するのが良いかを考え、考慮漏れをなくしたいと考えています。
機能の実装方法に複数の選択肢があった場合に「実装しやすさ・コードの書きやすさ」といった自分を主体として実装するのではなく、「どうしたら使いやすい機能になるか」という実際に機能を使用するクライアント側の目線で適切な選択肢を選べるようになりたいと思います。
自分の抱える課題や何らかのミスに対して「気をつける」などといったことで解決した気になるのではなく、原因を深堀りして再発しないしくみを作るところまで対処したいと考えています。特に私はこれまでの人生経験上、人よりケアレスミスが多めです。こういったケアレスミスこそ「気をつける」ことが対策となってしまいがちですが、そこをもう一歩踏み込んで「気づくためのしくみをつくる」ところまで対処できれば良いと考えています。
どれも初歩的なこととは思いますが、まずは手の届きそうな範囲から少しずつ成長していければと思います。
おわりに
ここまで長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。個人的にはまだ入社からあまり日が経っていないこともあり、「未経験エンジニアの生の声」っぽくなってるかな?と思っています。未経験からエンジニアを目指そうとしている方や目指している方の参考になれば幸いです。
そして、しくみ製作所の魅力が伝わっていればいいな、と思います。
それでは、また次の機会に。