しくみ製作所代表の車より 今月のつぶやき「2020年度のふりかえり」

Date
March 18, 2021

はじめに

しくみ製作所 代表の車と申します。

今年から私の考えや社内での取組み等をまとめていきましょうということで、社内向けではありますが、「つぶやき」と題し、こちらで書いていきたいと思います。

今回は2020年度のふりかえりです。日頃、組織やプロダクトを設計することが多いので、設計観点を強めにふりかえってみたいと思います。

全体トピック

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2020年度をふりかえると、やっぱりコロナの影響が大きかったかなと思います。特に年度始めは影響範囲が見えづらく、個人的に色々な心配と共に始まった一年でした。

一方で、これまで世の中が強制的にリモートワークになるという流れも見えていたので、ピンチでありながら、会社としてのチャンスでもあると考えていました。

2019年度まではバックオフィス(社内では組織基盤)の整備を多く進めてきましたが、2020年度からは営業や広報などを開始し、注力してきました。まだまだ練度は低いのですが、スタートを切れたこと自体、良かったと感じています。

SaaS化についても決断できた年となり、今後も推進していこうと考えています。また、マーケットへの参入タイミングを早めに行う方針なども固まり、ようやく全体の戦略イメージが整ったというところでしょうか。

組織構造

組織構造の設計

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2019年度からホラクラシーを導入し、これまでの2年間はかなりの頻度で組織構造を変更してきました。

2020年度下期からは事業部制を採用し、ようやく構造的な動きづらさはなくなったかなと感じており、しばらくはこの体制をベースに改善していこうと考えました。

年度始めは、開発・営業・マーケのような機能型の構造でスタートしていたのですが、営業は仕事を持ってきて、開発は仕事を終わらせるという互いのKPIが相反しやすい欠点を感じていました。例えば、開発は開発をしっかり倒すことが主な仕事なわけですが、営業が仕事を増やすと倒しきれないリスクが上がり、保守的な傾向が強くなってしまいます。そのため、事業を成功させるというような共通のKPIとし、機能横断的に同じチーム内に開発・営業・マーケなどを配置することにしたのです。

管理会計・データ基盤の構築

管理会計で各サークルのP/Lも可視化されるようになりました。

透明化されたことは良いものの副作用も往往にして発生するため(ロスを気にして動きにくい現象など)、2021年度には再度、管理会計への大幅な変更をかけたいとは思っています。

見える化の後は、社内データの基盤整備も進めてきました。徐々に、その効果も現れて、データの利活用が進みつつあります。また、ホラクラシー内にISMSを埋め込む活動も実施しており、来期は本格的にシステムが導入されていく予定です。

計画(シミュレーション)・実データ・プロセス・アクション と階層を行き来できるようになったのは、個人的にも成長だったと感じています。

BOTの活躍

管理会計等でデータが整備されてきたこともあり、社内ではBOTが活躍するようになりました。

データ基盤がない頃とは違い、ある意味社内データをフル活用して構築できるBOTなので、社内で一番データに詳しい立ち位置となっています。

各種作業の抜け漏れなどの通知もしてもらえるよう設計し、結果、データ基盤 × BOT の可能性を感じることができました。

外部発信(広報・マーケなど)の新設

これまで手薄となっていた外への情報発信を立ち上げから依頼しました。1年経過し、徐々に土台が整いつつあります。

VRIO的な意味での練度はまだこれからですが、重要なバリューチェーンとなるため、コミュニティ開発系とうまく接続して育てたいと思います。

事業

reBako

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コロナ禍で、強制的なリモート環境になったこともあり、リモートワーク関連について何か始めたいと考えていました。

創業以来ずっとフルリモートワークを実施しているため、逆にリモートワークにおける日常的な課題は小さいという環境下でした。また、周辺の人達に話を聞いてみても、普通に仕事を行うという点においては大きな課題はない様子でした。

そこで、リモートワークで課題となっていた、非日常になる大きめなイベント実施に着目し、サービスを始めるフィジビリを行ってきました。ようやく正式にローンチできるので、ゆるやかにコロナ後もリモートの利用が増えていくトレンドは継続するでしょうから、これからもコツコツ進めていきたいと思っています。

このプロジェクトでは、営業をきちんと実施したことでの学びが大きく、立ち上げ時の営業の大切さを感じました。営業というパーツがこれまで欠けていたことが大きな損失だったと痛感しました。

システム開発

プロダクト作りから一緒に関わる開発・プロダクトの設計はできているのでシステム開発だけしてほしい開発の2つで、大きく事業を分けようと考えるようになりました。

前者についての肝は「どんな、プロダクトを作るか?」ということになり、事業として伸ばしていくスキルもマーケットやユーザー調査・コンセプトメイキング・UXデザインなどの柔らかい部分が中心になるかなと思っています。進め方についても、試行錯誤を伴うことからアジャイル的な進め方やプロジェクト管理が求められ、契約形態も準委任になることが多いです。

後者についての肝は「どうすれば、品質の良いシステムを効率的に作れるか?」ということになり、効率化が重要視されていくと思っています。こちらはむしろ何を作るかある程度決まっていることから、変動幅も小さくなっていきプロジェクト管理も計画性の方が大事とされていきます。

個人的には、「どんな、プロダクトを作るか?」を考えるのが好きなので、前者のような仕事をやっていきたいのですが、ここについていくつも同じチームを作るのは難しいと思っているので、これまで研究してきたことを型として残していきたいなと思っています。

また、開発経験が浅いものの、ビジネスマンとしてしっかりされている人を採用していくという採用系のプロジェクトも始まり、数名JOINしてもらっています。

マーケット的にもジョブチェンジの意味でIT系に転向されている方も多く、会社としても良い効果を生めそうで、今後もしばらくは継続していこうと考えています。

コミュニティ開発

コロナ禍の影響を諸に受け、来期からはアーケードについてはなかなか厳しい状況が続きそうです。

今年は、VTuberのファンクラブ開発を実施しました。これまでひとつの製品を複数の会社にカスタムして売っていたのですが、今回は専用開発を実施しています。

構築形態は代わりましたが、ファンを集めたり、コミュニティを成長させていくというノウハウを活かしたプロダクトつくりができているので、今後もそれを活かす形で、他の領域に展開していけたらと考えています。

まとめ

2020年度を振り返ると、下期から始めた事業という括りで成長の土台設計ができたのが、個人的には良かったんじゃないかと考えています。

この括りによって、これまで取り組んできたことが整理されていき、成長の方向性を作ることができそうです。今後は各事業の色が濃くなっていくと思うので、社内メンバーもどの事業が合いそうか、みたいな観点でも参加のジャッジをしてもらうと良いかなと思っています。

また、事業の立ち上げ時の営業の大切さや、外部発信をしていく仕組みも整ったので、今後もしっかり進めていければと思っています。

2021年度の目標についても、後日アップいたします。