フルリモート運営のしくみ製作所を創業して16ヶ月・ここまでのふりかえって

Date
December 6, 2015

こんにちは、しくみ製作所代表の車です。

タイトルの通り、完全リモートの会社を始めて16ヶ月になりました。

「なんでこんな勤務体系にしたのか?」「どうやって働いているの?」などちょこちょこ聞かれることもあるのと、今のところ順調に運営できているので、これを機にまとめてみようと思います。

会社設立当社が2名で、現在が6名(+バイト2名)という構成でのお話です。

なんで完全リモートにしたのか?

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(画像はイメージです)

柔軟な働き方を提供して、優秀なメンバーを採用したかったから(採用優位性1)

会社にとって、一番重要だと思うのは参加してくれるメンバーだと思っています。

特に、システム会社の場合は設備投資などもないため、ヒトとカネだけという世界観になります。そのため、いかに優秀なヒトを集めることができるかが、競争優位性になると考えました。

名もない小さい会社が、どうやって良い人を集めようかな?と思った時に、中途半端なことをやらずに、思い切って完全リモートの会社にすることにしました。

オフィス代も給与に転換できるから(採用優位性2)

優秀なヒトを採用したいと思った時に、お金の面でも何かできないかと思いました。会社も極貧なので、中途半端にボロいオフィスを借りてメンバー全員詰め込まれても辛いだけだなと思いました。

それよりは、のんびり家で仕事をすれば良いし、オフィス代が浮いた分は、参加してくれるメンバーに極力還元できるのも良いな〜と考えました。

部分リモートの方が難易度が高そうだったから(情報格差・淀みの解消)

実は、前職でも部分的なリモートやサテライトを試験的に導入していたことがありました。

その際、私自身も東京を離れ、福岡に1年住んで積極的にその試験に参加していました(なお、福岡は凄い良い街でまたいつか住みたいです)。

その頃の知見としては以下の2つがありました。

  1. リモートでの仕事が十分に成立すること
  2. 部分リモートでは情報の格差が生まれやすいこと

当時、東京のオフィスと福岡のオフィスの2拠点で活動をしていたのですが、どうしても同じオフィスのヒトとのコミュニケーションが活発になるため、徐々に拠点間で情報の差(量やタイムラグ)がでてきてしまう現象が発生していました。

また、ひどい場合は、東京しか知らない情報というのも出てきており、きちんとケアしなければ複数拠点での仕事が困難になりそうでした。

前者については情報格差。後者については情報淀みと勝手に定義して、是正するべく振る舞っておりました。

さて、そのような知見がある中で会社を作ろうと思った時に、同じようにオフィスを設置して、同じように問題を発生させても仕方がないので、情報の差が生まれないように全員が平等になるべく、それならいっそ完全リモートにしようということになりました。

また、最初からリモートの会社を作れば、メンバーのコンセンサスを取ることも容易だと考えました。

家族のためにも何かしたかった(プライベートの充実)

最後は、完全にワガママな話です(笑)。せっかく会社を作るなら、応援してくれる妻や子供のためにも何かできることはないかなと思っていました。

そこで、住むところくらい自由にしてあげようというのと、夕飯くらいは一緒に食べようと考えました。

これは、私の実家が、転勤族で2,3年に一度は転勤を繰り返していたことや、その後単身赴任をした父を見ていると、仕事のために家族が移動したり、バラバラになったりするのはあまり良いことではないなと感じていたのが背景にあるのだと思います。ヒトの一生のタイムラインで考えると仕事よりも家族といる方が時間が長いですしね。

もちろん、一緒に働くメンバーにも仕事もプライベートも充実した生活を送って欲しいという思いが当然ありました。 こんな変な会社に参加してくれるのであれば、可能な限りその人にとってプラスになれればな〜という感じです。

いったん、その方針を決めた後、私は妻の出身の札幌に初めて住み始めました。 共同創業者のtabuchiは大阪が気に入ったらしく、そのまま継続して住むことになりました。

この辺りの雰囲気が役に立ったかは分かりませんが、会社に参加後hozumもkamocも彼女ができて、土日は楽しく(?)過ごしているようです。

デメリットは?

チャネルがどうしても弱くなる

ビジネス上、チャネルはもっとも重要な要素の一つですが、東京に住んでいない分どうしてもこの辺り弱くなっています(私だけでも東京に入れば良いんじゃ・・という気もしますが)。

この辺りが致命的になるようであれば、どこかで対策を検討しないとなと思っています。

幸い今のクライアントさんには良くしていただいており、非常にありがたく思っています。

クライアントさんにも負担をかけてしまう

機器の設置などでやはりいくらかはクライアントさんに負担をかけてしまっているというのは心苦しく思っています。完全にこちらサイドの都合に巻き込んでしまっているなと・・。

その分、アウトプットをしっかり出して、それ以上の価値を出していくしかないという感じで、最初から追い込まれている感はでてきます(笑)。

働き過ぎてしまう

際限なく働けますので、気をつけないとかなりの時間を働いています。仕事の性質も相まって、働いているのか、遊んでいるのか良くわからないという状況に陥ります。適宜、休憩を入れて遊びにいかないと色々とまずい状態になります(笑)。

お土産が渡しにくい

結構面倒で、各個人の住所宛てに送らないといけないので、凄い手間です。 誰か何とかして欲しいです。

移動が面倒になる

ダメ人間化していくようでマズイのですが、物理的な移動にかかる時間コストが凄い勿体無く感じてきます。 この時間があればこれだけ仕事ができるのにな〜という感じになってきます。

工夫している点は?

ビデオチャットは常時接続

基本的には、メンバー全員が常時Google Hangoutに接続して仕事をしています。要は、オフィスで仕事をするのと同じUXにしています。

なので、常時つないでいても黙々と作業している場合も結構あります(笑)。

朝会をする

仕事のメリハリをつけるためにも、朝会はきちんとやっています。朝はDailyScrum風に、「昨日やったこと」「今日やること」「困っていること」に加えて「気になるニュース」についても話しています。何やかんやで30分くらいはおしゃべりしていそうです。

リモートでも仕事ができるヒトを採用する

完全リモートな会社を作る上で、最も重要なポイントだと思っています。コミュニケーションが積極的(聞かないと出てこないタイプじゃなくて自分から話すタイプ)で、仕事を一人で完結させられるヒトという基準にしています。

最後に

リモートワーク最高!!とは一概に言えないというのが所感です。 ただ、参加メンバーが今は楽しそうに仕事やプライベートを送ってくれているので良かったかな〜という感じです。

今後人数が増えたり、状況が変わってもこの形態を維持できるのかは少し疑問が残りますが、最初から心配せずに、とりあえず楽しい方でやってみてダメだったら方向転換していこうと考えています。

また、何かあれば報告したいと思います。