しくみ製作所代表の車より 今月のつぶやき「リモートワーク」

Date
June 17, 2021

はじめに

しくみ製作所 代表の車と申します。

今年から自分の考えや社内での取組み等をまとめていきましょうということで、社内向けではありますが、「つぶやき」と題し、書いているところです。

しくみ製作所は、創業以来ずっとフルリモートワークで運営しており、現在では広まりつつありますが、長い間やってきた視点から、少し感想のようなものを書いてみたいと思います。

部分的なリモートワークとフルリモート

週1でオフィスに行こうかという部分的なリモートワークと、「基本的にはリモートワークです」というフルリモートでは、働く人の制約が大きく異るかと思います。

元々は、オフィスとリモートの二重オペレーションによる弊害を考慮して、フルリモートを採用していましたが、フルリモートでは住む場所の制約が完全になくなる点が大きいと感じています。

働く人のメリット

生活をデザインする

私は設計という意味でのデザインが好きで、かつ、誰であっても自分の範囲のことは自分で設計した方が良いものができると考えています。

例えば、あるプロダクトの使い込みについては、ユーザー自身が設計できたほうがその人の用途にフィティングさせやすいとも思っています。NotionやSlackなどの世界的に流行っているプロダクトについても、最後のつなぎはユーザー自身が色々と改造できるようにもなっているかと思います。

どうやって勉強していこうかな?どうやったら住んでる家がもっと快適になるかな?どうやったら美味しい料理ができるかな?今後、1人で生きていこうか?家族を持とうか?いろんなことを考えて、自分の将来や自分の周りのものは自分で設計すべきだよなと。

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そう考えたときに、自分の生活・働き方を自分でデザインできる環境を提供するのは、コスパも高いし、良いんじゃなかろうかと思っています。つまり、フルリモートを採用するメリットは、働く人自身が設計できる変数の量が増えることにあると思います。

街への投資

住む場所の制約がなくなるので、どこに住むかは完全に自由になります。住む場所を選定できるようになると、どの街に投資したいかという観点で住む人も増えていくような気がします。

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特に、今の日本の構造だと、東京周辺とそれ以外の地域では世界観が変わっているし、どちらに住んでどういう生活を設計しようかと考えるのは、面白いと思っています。

私は今札幌に住んでいますが、休日は北海道の飲食店やキャンプ場などに行っていて、結構充実しているなと感じます。日本の地方は今後どんどん過疎化が進みそうで、大きなトレンドに逆らっても大した意味はないかもしれないけれど、少しくらい過疎化を減速させつつ、気に入った街を応援しようと考えるのも良いんじゃないかと思います。

家族の設計

フルリモートワークは、家族持ちの方が圧倒的に相性も良いと思っていて、家も忙しいし、仕事もしっかりやりたい という状況下が一番向いていると思います。 長い目で人生を考えたときに、どういう家庭にしたいか?歳をとったときにどんな生活をしたいか?みたいな観点で考えてみるのも良いですよね。

もちろん、今の時代、様々な家族の形態もあるし、どんな形でもいぜれにせよ、本人がデザインできることが重要だと感じます。

会社側のメリット

柔軟性とコスト削減

フルリモートワークで運営しているメリットは、組織変更の柔軟性とコスト削減効果につきていると思います。

柔軟性

  • 組織変更をコロコロしても、席替えもなにもないので会議後すぐに体制変更を実現できる
  • みんなの認知さえ取れれれば、特に組織変更コストもかからないので、ある程度実験的な変更を何回も重ねることができるのが良い(とは言えみんなの負荷はあるけど・・)

コスト削減

  • 削減することで、働いている人にフィーとして還元することもでき、会社としての安定性にもつながる
  • 運営コストは低ければ低いほど、ロバスト性が高いので安心した運営が実施できるというだけで十分お釣りがくる

採用

フルリモートワークの場合、採用メリットが最も大きいと思います。 場所はどこでもよく、フルリモートワークをしたい人にも興味をもってもらえます。最近だと、フルリモートワークを採用する企業も増えているので、それだけだと強みは減ってきているものの、それでもメリットは大きいと考えています。

リビング・ラボ

フルリモートワークで働くという環境自体をラボに見立てた運営をしたいなと思っている。 普段の働くという生活から発見される課題をクリアしつつ、会社運営をしていきたいです。また、それらの課題で普遍的なものがあれば、社会に還元できたらなと考えています。

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リモートワーク当初は、コミュニケーションの課題が多くを占めていましたが、結局は会社の方針の透明性や、会議の設計の仕方、コワークなどの一緒に働く文化の設計などの本質的な課題に帰着していった気がします。また、多くの場合に、それはリモートだからというよりも、経営者としての力不足などから発生することが多く、形態よりも本質的な課題が多くあったと思っています。

フルリモートワークが日常になる

コロナもあってフルリモートワークが普通で、たまに集まるみたいな世界観に世の中が少しずつシフトしていくんじゃないかと思っています。もちろん、コロナ収束後は、反動でみんなあれこれ戻ると思うものの、全体の大きなトレンドとしてはシフトしているのではないでしょうか。

ただ、単純に今の仕事のまま移行するのではなく、抜本的にそもそもこの仕事ってどういう意味があるんだっけ?というところから遡って移行していくところが難しいところなんじゃないかなとも思っています。

コミュニケーションはオンラインが基本となって、録画なんかも頻繁に利用しはじめるだろうし、効率化はより進んでいくと思います。オンライン化が進むとAI・BIも入りやすいし、効率化はもちろんのこと、高度化も進んでいくでしょう。ドンドン変化は進み、これまで以上に会社としての価値を多面的に考えていかないとなと思っています。